Corporate & Tax Global Update Vol. 58（2021年5月号）

バイデン新大統領下におけるAmerican Families Planの概要、SPAC（特別目的買収会社）をめぐる近時の連邦証券取引委員会のガイダンス及び訴訟の状況等の最新情報をお届けします。

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主要記事

日本

• 日本：金融庁がコーポレートガバナンス・コードの改訂案を公表 2021年4月6日、金融庁は「コーポレートガバナンス・コード」及び「投資家と企業の対話ガイドライン」の改訂案を公表した。前回改訂から約3年ぶりの改訂となり、取締役会の機能発揮に向けた独立社外取締役の割合の増加、中核人材の多様性の確保、サステナビリティを巡る課題への取組みの拡充、支配株主を有する上場会社のガバナンスなど、近時の国内外の社会経済情勢を踏まえた重要な提案がなされている。

アジア

• シンガポール：シンガポール歳入庁が本社・地域統括会社向けの移転価格ガイダンスを公表 シンガポール内国歳入庁は、2021年3月19日付で「多国籍企業の集約された活動に関する移転価格ガイドライン」を発行し、シンガポールでの本社業務に対する独立企業間報酬の決定に関する行政指針を提供している。

米国

• 米国：バイデン大統領下におけるAmerican Families Plan の概要 バイデン大統領下における新税制案”American Families Plan”につき、現時点の情報に基づく概要（特にウェルスプランニング関係）を解説する。改正案の内容としては、トランプ税制における各種優遇措置を廃止する内容が目立っている。
• 米国：SPAC（特別目的買収会社）をめぐる近時の連邦証券取引委員会のガイダンス及び訴訟の状況 2021年に入って既にSPACの新規上場件数は320件以上、調達金額は1,000億ドル以上と、既に昨年一年間の水準を超えている状況であるが、他方で、SPACの責任リスクやワラントの会計処理等に関して証券取引委員会のスタッフが声明を公表しており、また、SPACに絡む訴訟の傾向にも注視が必要であり、これらの証券取引員会のガイダンス及び訴訟の状況について概説する。

欧州

• 英国：国家安全保障・投資法の成立 2021年4月29日、英国において国家安全保障・投資法が成立した。17の重要な産業分野（防衛、エネルギー、通信、データインフラ等）のいずれかにおいて事業活動を行う会社の株式を25％以上取得する場合が義務的届出の対象とされた。同法は、2021年中に施行する予定である。