Corporate & Tax Global Update Vol. 71(2022年6月号)
「OECDがデジタル課税・第1の柱「Amount Aに係る税の安定性のフレームワーク」及び「Amount Aに関連する論点に係る税の安定性」の2つの公開協議文書を公表、英国テイクオーバー・コードにおける共同行為の定義の変更案の公表」等の最新情報をお届けします。
主要記事
グローバル
- グローバル:OECDがデジタル課税・第1の柱「Amount Aに係る税の安定性のフレームワーク」及び「Amount Aに関連する論点に係る税の安定性」の2つの公開協議文書を公表 OECDは、5月27日付で第1の柱における「Amount Aに係る税の安定性のフレームワーク(A Tax Certainty Framework for Amount A)」及び「Amount Aに関連する論点に係る税の安定性(Tax Certainty for issues related to Amount A)」の二つの公開協議文書を公表した。Amount Aは常に2つ以上の管轄区域で対象グループの納税義務に影響を与える可能性があるが、今回の提案では二国間の紛争解決プロセスのみを記述しており、多国間の協力義務については言及されていない。
- 日本:BEPS防止措置実施条約(MLI)の適用対象国にタイ、中国・香港が加わる 2022年に入り、タイ、中国及び香港について、それぞれ留保及び通告が提出された。2023年1月1日以降は日本とこれらの国・地域それぞれの留保及び通告がマッチングした条項について二国間租税条約が書き換えられるので留意が必要である。
- 中国:デュアルユース品目(軍民両用物品)に関する輸出管理規則案の公表 輸出管理法の施行から1年以上が経過した2022年4月22日、中国商務部はデュアルユース品目(軍民両用物品)の輸出管理規則案を公表し、パブリックコメントの募集を開始した。
- 英国:英国テイクオーバー・コードにおける共同行為の定義の変更案の公表 英国のテイクオーバー・パネルは、英国テイクオーバー・コードにおける共同行為(acting in concert)の定義の変更を提案するコンサルテーション・ペーパーを公表した。本変更の大部分は「共同行為」に関する既存の実務を明文化したものであるが、共同行為者に該当するか否かは、最低買付価格の決定や義務的公開買付け規制の対象となるか否かに関係するなど重大な影響が生じうるため、その内容を理解することは非常に重要である。
- イタリア:外国投資審査規制の改正-議会による政令の修正可決と新法成立 2022年5月20日、イタリア議会は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて政府が外国投資審査規制を大幅に変更すべく2022年3月に制定した政令第21/2022号を可決し、これにより2022年5月20日付法第51号が成立した。
- 日本:公表サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドラインの骨子案の公表 経済産業省設置の「サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン検討会」が、サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドラインの骨子案を公表した。
- 米国:新疆ウイグル自治区からの調達及び規制対象の中国企業との取引についての開示を義務付ける法案 新疆ウイグル自治区からの調達及び規制対象の中国企業との取引についての開示を義務付ける法案が提出された。可決されれば、中国のサプライヤーを含めたサプライチェーンマップの作成、デューデリジェンスを行うことが求められることになる。
- スイス:ESG関連規制の最新動向とESG報告義務 スイスでは、近年、ESG報告、開示、およびデューデリジェンスにおける法整備に重要な進展が見られている。これらのEGS関連規制が、スイス企業及びスイスに進出している外国企業に与える影響や、諸外国にてESG報告やデューデリジェンスの義務が拡大する中で、経営者が考慮すべき重要なポイントについて紹介する。