米国-独禁法当局が企業結合事前届出手続の改正案を公表
米国にはハート・スコット・ロディノ法(以下「HSR法」)と呼ばれる企業結合規制が存在しており、米国外の企業による株式取得、合併等の企業結合であっても、一定の要件を満たす場合には、米国連邦取引委員会(以下「FTC」)及び米国司法省(以下「DOJ」)への事前届出を要する。
2023年6月27日、FTCは、DOJ反トラスト局の司法次官補と共同して、HSR法を実施するための企業結合事前届出様式並びにこれに付随する指針及び規則の改正案を発表した。HSR届出様式において求められる情報の拡大と再整理を意図したこの改正案は「HSR届出様式に記載する情報を全面的に見直す」ものであり、1978年に規則が採択されて以来初めての見直しである。
当事者がHSR届出を行うに際し、FTC及びDOJに提出しなければならない書類や情報の幅を広げることを目的とした今回の改正案は、詳細な案件説明の提出が求められる欧州委員会等の他法域の競争法上の届出手続と、米国の企業結合審査手続をより緊密に整合させるものになるといえる。