本アラートでは、2023年3月3日に米国司法省(DOJ)のKenneth A. Polite, Jr. 司法次官補(Assistant Attorney General)が発表した刑事局の「Evaluation of Corporate Compliance Programs(ECCP)(企業のコンプライアンス・プログラムの評価)」の改正について取り上げたい。

2022年9月15日、DOJのLisa Monaco副長官(Deputy Attorney General)は、企業犯罪の取締指針に関する新たなメモランダムである第二モナコ・メモを発出した。第二モナコ・メモは、検察官が企業に対する適切な処分を決定するための要素の一つとして、企業のコンプライアンス・プログラムを評価するべきであるとし、その評価要素として、新たに①コンプライアンスを促進する報酬の仕組み(Compensation Structures that Promote Compliance)及び②個人デバイス及びサードパーティ・アプリケーションの使用(Use of Personal Devices and Third-Party Applications)を挙げた。これを受けて、2023年3月3日、Kenneth A. Polite, Jr. 司法次官補は、「The Criminal Division’s Pilot Program Regarding Compensation Incentives and Clawbacks(報酬インセンティブ及びクローバックに関する刑事局のパイロットプログラム)の実施及びECCPの改正を発表した。

米国で事業活動を行う日本企業にとってECCPの最新の内容を理解しておくことは、DOJが企業に対しどのようなコンプライアンス・プログラムの構築を期待しているかを理解するために極めて重要であるため、ECCPの概要と今回の改正点について説明する。

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