Corporate & Tax Global Update Vol. 88(2023年11月号)
米国IRSによる大企業をターゲットにした3重の取締りの実施、スウェーデンの新しい外国直接投資審査法の施行等の最新情報をお届けします。
主要記事
グローバル
- グローバル:「グローバルグループ再編シリーズ」第3回:グローバルグループ再編の実行 前回の「グローバルグループ再編シリーズ」第2回では、多国籍企業化した日本企業がグローバルグループ再編に当たって取る再編手法について紹介した。今回は、実際のグローバルグループ再編の実行にあたっての留意点を紹介する。
- グローバル:OECDが第1の柱/Amount Aの配賦を実施するための多国間条約(MLC:Multilateral Convention)を公表 2023年10月11日付で経済協力開発機構は、第1の柱/Amount Aの配賦を実施するための多国間条約の本文および解説文(Explanatory Statement)を公表した。
- 香港:越境組織変更(Re-domiciliation)制度の導入 香港外で設立された外国企業が香港に設立地を変更することを可能とする越境組織変更(Re-domiciliation)制度が導入される。本稿では同制度に関する主要な留意点について概説する。
- 香港:印紙税についてのアップデート 2023年10月25日に行われた香港行政長官の2023年施政方針演説において、香港政府は、株式譲渡に関する印紙税率の引き下げ及び住宅用不動産の売買に関する印紙税にかかる改正を発表した。
- 米国:IRSは、大企業をターゲットに3重の取締りを実施 米国連邦取引委員会及び米国司法省は、近年、個人による競合する企業の役員の兼任規制に関して注目すべき動きを見せている。役員兼任は、クレイトン法第8条により原則として禁止されるが、企業の規模又は会社が相互に競争して販売する製品又はサービスから得られる売上が一定量を超えない場合は例外的に許される。
- 米国:2024年1月から施行される企業透明化法に基づく実質的所有者の報告についてのアップデート 2024年1月1日に施行される企業透明化法に基づき、米国財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に対して実質的所有者の報告が求められる。FinCENは近時2024年に設立される法人について報告期限を変更する規則改正案と、法人のFinCEN識別番号を報告に用いることができる場合についての最終規則を公表した。
- スウェーデン:新しい外国直接投資審査法の施行 2023年12月1日に、新たな外国直接投資審査法が施行される。新法は、スウェーデンの国家安全保障、公序良俗、公共安全に悪影響を及ぼす可能性のある外国直接投資を審査するための国家制度を確立するものである。新法の対象となる投資については事前の届出が求められ、違反した場合には多額の行政罰が科され、また取引が無効とされるリスクがある。
- シンガポール:国際カーボン・クレジット枠組みの新しい適格基準の発効 シンガポール政府は、2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成するシンガポールの取組の一環として、国際カーボン・クレジット(ICC)フレームワークに関する適格基準を公表した。
- EU:強制労働が用いられた製品のEU市場での流通を禁止する規則案についてのアップデート 欧州議会は、欧州委員会から提案された強制労働が用いられた製品のEU市場での流通及びEU市場からの輸出を禁止する規則案に対する意見を採択した。