規制当局の承認は、M&Aの当事会社が前提条件(conditions precedent)や取引の時間軸を合意するにあたり、常に課題となっていた。従来、EUとの関係では、当該取引がEU又は加盟国の企業結合規制における届出義務につながるかどうかだけを考慮すれば足りるところであったが、現在では、以下の3つの複雑な要素を考慮する必要がある。

1. 第22条と事後的評価(ex-post assessments)
2. 外国直接投資(FDI(Foreign Direct Investment))
3. 外国補助金規制(FSR(Foreign Subsidies Regulation))

取引はクロージング前に、企業結合規制、FDI、FSRの承認を複合的に取得しなければならない可能性がある。このことは、デューデリジェンスの審査、企業文書における前提条件、取引のタイムラインに影響を与える。この新しい状況がもたらす課題について概説する。

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