Corporate & Tax Global Update Vol. 67(2022年2月号)
「デジタル課税・第一の柱:ネクサスとレベニュー・ソーシングのモデル規則案を公表(OECD)、イタリアにおける外国投資審査」等の最新情報をお届けします。
主要記事
グローバル
- グローバル:デジタル課税・第一の柱:ネクサスとレベニュー・ソーシングのモデル規則案を公表 OECDは2月4日付で、第一の柱のAmount Aの構成要素のうち、ネクサス・ルールとレベニュー・ソーシング・ルールの2つに絞ったモデル規則案を公表した。本記事ではモデル規則案で示されたネクサス・ルールとレベニュー・ソーシング・ルールの概要について説明を行う。
- 米国:合併ガイドラインの見直しについて意見募集を開始 2022年1月18日、米国司法省及び連邦取引委員会は、合併ガイドラインの近代化及び合併規制のエンフォースメントの強化を目的とした公開諮問を発表した。プレスリリースでは、様々なテーマについてパブリックコメントを募集し、経済全体の多くの産業が集中化し競争力が低下しているという両機関の共同見解が強調されている。
- イタリア:イタリアにおける外国投資審査の最新情報 2021年12月23日、Covid-19による緊急事態に伴い、イタリア政府はイタリア国家行政の継続性と効率性を確保するべく、かなりの数の強制条項を延長した。これらの条項の中には、「ゴールデンパワー」とも呼ばれるイタリアの外国投資審査制度に関連した緊急条項の適用に関する条項も含まれている。
- 英国:投資ファンドに関連する税務の欧州における改正動向 英国における税制改正で導入されることが想定されるAsset Holding Companyの特例及び欧州委員会が公表した実体のない会社に関する欧州の規制(ATAD3)を投資ファンドの視点から解説する。
- ベルギー:DAC7の「軽減された」報告義務の実施に係る、FAQ及び報告様式の公表 ベルギーは昨年、EUにおけるDAC7の実施を見越して、プラットフォーム運営者に対しDAC7の「軽減された」報告義務を導入した。今般これに係るFAQ及び報告様式が公表されている。このベルギーのDAC7については、2022年3月31日に報告期限が迫っており、プラットフォーム運営者は早急に対応する必要がある。
- ルクセンブルク:合併規制に関する新指針 ― ルクセンブルクのM&A取引に与える実務上の影響 欧州委員会(EC)は、2021年3月26日から、加盟国の国内競争当局に対し、国内売上高の基準値を下回っていたとしても、加盟国間の取引に影響を与え、加盟国の領域内の競争を脅かすような合併をECに届け出て、判断を仰ぐよう促しており、ルクセンブルク競争評議会は、ECの新たな働きかけに従うこととしている。ルクセンブルクにおけるM&A取引は、自国に合併規制が存在しないにもかかわらず、ECに対し審査のために届け出られる可能性がある。
- 米国:衣料品製造業者及び小売業者にサプライチェーン・マッピング及びサステナビリティ開示を求めるニューヨーク州の法案 ニューヨーク州議会上院は、衣料品小売業者及び製造業者に対してサプライチェーン・マッピング及びその詳細な開示を求める「ファッションサステナビリティ及び社会的責任に関する法」を公表した。
- 欧州:EUにおける低炭素水素に関する認識 これまで低炭素水素、ガス、燃料の認証は認められていなかったが、欧州委員会が、低炭素燃料の役割を認識することを提案したことは、EU及び世界の水素市場にとって非常に重要であった。欧州委員会の提案に盛り込まれた低炭素燃料の新たな定義と認証の枠組みを分析し、将来の水素経済への影響を考察する。