Corporate & Tax Global Update Vol. 32(2019年3月号)
EUの外国直接投資の審査に関する新規制、国税庁のBrexitに伴う越境合併の適格合併該当性を認める文書回答事例等の最新情報をお届けします。
主要記事
- 日本:国税庁、Brexitに伴う越境合併の適格合併該当性を認める国税庁はBrexitに伴う越境合併の事例について、その適格合併該当性を認める文書回答事例を公表した。その概要と今回の回答事例の射程が及びうる範囲について検討する。
- 米国:米国の移転価格執行における新たな潮流-APMAが利益分割法に向けた新しいモデルを公表内国歳入庁の事前確認と相互協議の担当部局であるAPMAは、申請の対象となる取引に対して簡易的な残余利益分割法による分析を適用し、移転価格調整を。計算するためのExcelテンプレートである機能コスト診断モデル(FCDモデル)を公表した。
- タイ:初の個人情報保護法案が立法議会において可決タイ国家立法議会で、個人情報保護法案が可決された。同国で初の一般的かつ包括的な個人情報保護の規制である。域外適用、国外移転要件といった外国企業も注意すべき内容が含まれるため、今後は対応に向けた準備が求められる。
- フィリピン:フィリピン競争委員会によるリニエンシープログラムに関する規則の施行2019年1月18日、フィリピンでリニエンシープログラムに関する規則が施行され、リニエンシー制度が利用できるようになった。カルテル事案に関して、第一順位のリニエンシー申請者のみに法的責任の免除又は課徴金の減額が適用されることや、適用のための条件等が定められている。
- EU:外国直接投資の審査に関する新規制の導入2019年2月14日、欧州議会は「欧州連合への外国直接投資の審査に関する枠組み」の規制案を決議した。本規制は必ずしもEU各加盟国において統一的な審査手続を設けることやEU全体にわたる横断的な審査手続を創出することを要求するものではないが、各加盟国における実際の審査自体への影響が予想され、また、今後EU加盟国で外国直接投資規制の導入や見直しの機運が高まる可能性もある。
- エジプト:会社法改正 ― 有限責任会社の業務執行者のエジプト国籍要件の廃止従来エジプトでは、有限責任会社の業務執行者の少なくとも1人はエジプト人であることが要求されていたが、2018年12月30日付の省令で、この要件が廃止された。今後は有限責任会社はエジプト人の業務執行者を置くことは要求されないが、特定の活動を行う会社の場合、その活動に適用される法律及び規則に基づき、依然としてエジプト人の業務執行者が必要な場合がある。