米国-FTCが企業結合事前届出手続の改正内容を最終決定
米国連邦取引委員会(以下「FTC」)の委員は、米国司法省反トラスト局及びFTCが共同で策定したHSR(ハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法)の事前届出手続に係る最終規則を発行することを全会一致で決定した。これは、HSR法を実施するための企業結合事前届出に係る規則を見直すもので、事前届出様式の実質的な変更を含むものである。
2023年6月公表の改正案はその抜本的な見直し内容から大きな批判と反発の的となっており、最終案での修正が待望されていたところ、今回の最終規則は当初の内容から大きく後退した内容となっている。とはいえ、最終規則は届出当事者の負担を大幅に増加させるものと言わざるを得ない。
最終規則とあわせて公表された委員の声明にもあるように、当初の改正案への大きな変更は、パブリック・コメントで提起された何百もの懸念に対処するとともに、最終規則に対する法的な異議申立ての可能性に配慮してのものである。また、こうした変更は、改正案の策定には関与していなかったFTCの2人の共和党委員の意見を反映するために必要であったとみられる。
最終規則は、連邦官報に掲載されてから90日後(2025年1月頃と思われる)に施行される。最終規則に対する異議申立てがあれば施行日に影響が出る可能性があるが、いずれにせよ施行までの間に新しい手続に備えることができる。FTCは最終規則とは別途、新しい手続の遵守に関する追加ガイダンスを近々発表する予定である。当事務所では、追加ガイダンス及び最終規則に対する法的異議申立ての状況につき、モニターしていく。