11月6日から11月20日まで、エジプトのシャルム・エル・シェイクにおいて、国連気候変動枠組条約第27回会議(COP27)、京都議定書第17回締約国会合(CMP17)、パリ協定第4回締約国会合(CMA4)が開催された。COP26の「グラスゴー気候合意」を受けて、COP27全体決定「シャルム・エル・シェイク実施計画」(「実施計画」)が採択された。実施計画においては、COP26 の内容を踏襲し、気温上昇を1.5℃に制限する努力を継続することを再度決意表明するとともに、2019年比で2030年までに世界全体の二酸化炭素排出量を43%削減する必要があることを再確認した。また、2030年までの緩和の野心と実施を緊急に向上させるための緩和作業計画が策定され、2026年まで毎年締約国会議で作業計画の進捗状況を確認することが決定された。「損失及び損害」については、技術支援を促進する「サンティアゴ・ネットワーク」の組織上の取組等の決定を歓迎した。さらに、気候変動の悪影響に対して特に脆弱な途上国への損失及び損害の支援の一環として基金の設置が決定され、資金面での措置につきCOP28に向けて継続的に議論がなされることになった。

また、COP26において第6条2項及び4項についてそれぞれガイダンス及びメカニズムに関するルール及び実施指針の大枠が合意されていたが、COP27では、その実施指針につきさらに運用細則をはじめ今後の作業計画が決定された。本稿では、その決定内容の概要及びカーボンクレジット取引(「取引」)への影響と課題を取り上げる。

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