2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、2050年のカーボンニュートラル目標や2030年46%削減目標の実現に向けて、火力発電所の脱炭素化や、素材産業や石油精製産業といった電化や水素化等で脱炭素化できずCO2 の排出が避けられない分野を中心として、CCS はCCUとともに最大限活用する必要性があると位置づけられ、認識されてきた。

これまでCCS については懐疑論も多かったが、CCSなくしてカーボンニュートラルは達成不可能であるとの認識が広がっており、近時世界においてCCSの大規模プロジェクトが増加している。

日本は、2050年カーボンニュートラルの鍵となるCCSの社会実装に向けて、CCSの技術的確立・コスト削減、適地開発や事業化への環境整備が課題であるとし、長期ロードマップを策定してその課題解決の取組を官民連携で進める目的で、2022年1月に「CCS長期ロードマップ検討会」(以下「検討会」)を設置した。検討会は、「CCS長期ロードマップ検討会中間とりまとめ案」を、そして、2022年5月27日、「CCS長期ロードマップ検討会中間とりまとめ」(以下「中間とりまとめ」)を公表した。さらに検討会のもとに、「CCS事業・国内法検討WG」(以下「国内法WG」)及び「CCS事業コスト・実施スキーム検討WG」(以下「コスト・スキームWG」)を立ち上げ、2022年9月から、検討を重ねたうえ、検討会は、2023年1月26日、最終とりまとめ案(以下「最終とりまとめ案」)を公表した。また、国内法WG は4回にわたり検討を重ねて、検討結果に至る詳細が報告書「CCS事業法(仮称)のあり方について」(以下「報告書」)としてまとめられ、最終とりまとめ案の一部として、別冊として公表された。なお、環境省は、環境と調和したCCS事業のあり方に関する検討会(以下「環境と調和検討会」をたちあげ、国内法WGの第1回会合を共同で実施した。環境と調和検討会は、2022年12月27日、「環境と調和したCCS事業のあり方に関するとりまとめ」 を公表した。

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