水素基本戦略の改定
2015年パリ協定以降、世界は今世紀後半に向けたカーボンニュートラル達成を目指し、温室効果ガス削減への取組実施に向かった。日本も、2017年12月に、世界初となる水素の国家戦略として水素基本戦略(以下「2017年基本戦略」) を策定した。それ以降、世界各国において、水素に関する戦略やロードマップ等が次々と策定されている 。
2017年基本戦略の策定以降、日本では、2020年10月に2050年カーボンニュートラル宣言がなされた。また、2021年10月には、第6次エネルギー基本計画において、2030年度における電源構成の1%程度を水素・アンモニアにより賄うこととすることが定量目標として示された 。その後、本年2月には、GXに向けた脱炭素の取組の1つとして、水素・アンモニアの導入促進を位置付けたGX実現に向けた基本方針 が閣議決定された。
このような情勢を踏まえ、2017年基本戦略が改定されることとなり、2023年6月6日、第4回再生エネルギー・水素等関係閣僚会議において、水素基本戦略(以下「2023年基本戦略」)が決定された 。本稿では、2023年基本戦略の概要を紹介する。
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