改正プログラム医療機器ガイドラインにおける疾患リスク表示プログラムの扱い
近年スマートテクノロジーの発展を背景として、ヘルスケアの分野においても革新的な製品・サービスの開発、展開が急速に拡大している。例えば、AI/機械学習技術を利用した診断用の医療機器や検査機器が急速に高度化している。また、一般消費者がスマートフォンを用いて健康を管理するためのアプリケーションソフトウェアや健康関連データを収集、蓄積するウェアラブルデバイスなども次々と展開されている。
こうした革新的なヘルスケア製品、サービスの展開において、法的に重要な論点となるのが医薬品医療機器等法などのヘルスケア規制への対応である。具体的には、展開しようとする製品が「医療機器」に該当するか否かにより、規制への対応の要否が左右され、製品展開の戦略や事業化に要する期間やリソースに重大な差が生じるため、事業者にとっては、この医療機器該当性の評価が非常に重要となる。他方、これまでに類例のない製品やサービスの展開を進めようとする場合には、ヘルスケア関連規制上も十分な先例が蓄積されていないことも多く、当該製品がどのような扱いを受けるか必ずしも明らかではないことも多い。そこで、厚労省は、2018年に「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」(以下「プログラム医療機器ガイドライン」という)を発出し、医療機器の該当性判断に関する指針の提供に努めてきた。同ガイドラインは厚労省により複数回アップデートされているが、2023年3月31日に最新の改定がなされ、その内容のさらなる明確化及び拡充が進められている。